2010年ヒューゴー賞候補作発表

ヒューゴー賞の候補が発表になりました。Novel部門とNovella部門の候補作だけ載せときますので、後はこちらのページを御参考にどうぞ。Best Novel * Boneshaker, Cherie Priest (Tor) * The City & The City, China Miéville (Del Rey; Macmillan UK) * Juli…

素数の音楽

素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)作者: マーカス・デュ・ソートイ,冨永星出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/30メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 70回この商品を含むブログ (92件) を見るあー、面白かった! フェルマーの定理と並んで数学上の…

Fried Clam について

Joe Hillの"The Horns"を読んでたら、「fried clam」なる食べ物が出てきて気になった。 clamはクラムチャウダーのクラムで、普通はアサリのことだから、揚げアサリ? いや、英語の「fry」はたんに油で炒める場合もあるから、アサリ炒めのことか? どちらにし…

『鳥 デュ・モーリア傑作集』

鳥―デュ・モーリア傑作集 (創元推理文庫)作者: ダフネデュ・モーリア,Daphne du Maurier,務台夏子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2000/11/17メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 37回この商品を含むブログ (36件) を見るなぜ今頃と言われそうですが、こ…

デヴィッド・ピースが選ぶ Literary Top 10

CatalyさんのTwitter情報から『Tokyo Year Zero』のデヴィッド・ピースが選ぶ「My Literary Top 10」 http://www.pulp.net/58/top10.html1 今まで読んだ最高の短編 芥川龍之介が1927年に自殺する直前に書いた「歯車」2 国の教育カリキュラムに組み入れ…

『螺旋』読了

買った時の話はこちら。螺旋作者: サンティアーゴパハーレス,木村榮一出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2010/02/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 127回この商品を含むブログ (36件) を見るうーん、ちょっと期待はずれかな。 帯を見た時は…

日本のマンガがティプトリー賞を受賞

よしながふみさんの『大奥』が、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞に選ばれたということで、Twitterが盛り上がってますね。不覚にもVizから英訳が出てたことも存じませんでした。よしながさんの本は『きのう何食べた?』しか読んでないんだなぁ。『大奥…

Wikipediaは凄いなぁ

日本のウィキペディアはショボイけど、本家英語のは凄いなぁ。さっき偶然見つけたのが、「作中に架空の小説が登場する小説」のリスト。質量共に圧倒的です。http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_fictional_books#Works_invented_by_Andrew_Crumeyこういう…

『螺旋』の帯がすごい!

螺旋作者: サンティアーゴパハーレス,木村榮一出版社/メーカー: ヴィレッジブックス発売日: 2010/02/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 127回この商品を含むブログ (36件) を見る本屋で見かけて思わず買ってしまいました。 サンティアーゴ・パハーレス…

「氷と炎の歌」ドラマ化

ジョージ・R・R・マーティンの「氷と炎の歌」シリーズがHBOでドラマ化されるという噂は前からありましたが、いよいよ本格始動したようです。オープニング・シーンとされるパイロット版の映像も公開されています。見るからに「幽霊の森」のようですが、…

"The Love We Share Without Knowing" by Christopher Barzak

The Love We Share Without Knowing: A Novel作者: Christopher Barzak出版社/メーカー: Bantam発売日: 2008/11/25メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る先日発表されたネビュラー賞の長編候補にクリストファー・バルザック(Christopher…

たまたま

去年の後半から確率論やリスク論の本をちょこちょこ読んでるんだけど、松岡正剛さんが千夜千冊の連環篇で、まさにそういう本ばかりを紹介してくれてました。まさに「たまたま」なんだけど、連環篇の最初に取り上げられたのは私も読んで大いに感心したレナー…

ゴーメンガースト三部作の続編が出版される!?

「ゴーメンガースト三部作」といえば、幻想文学好きで知らない者はいないわけですが、なんと続編が出る模様です。1968年にマーヴィン・ピーク(Mervyn Laurence Peake)が亡くなった時、残されていたのは第四巻の冒頭数ページと「Titus Awakes」という仮…

信用できない語り手ベスト10

「信頼できない語り手(Unreliable narrator)」が登場する小説は、私の大変愛するところなのですが、Henry Suttonという作家が「信用できない語り手ベスト10」を発表しております。http://www.guardian.co.uk/books/2010/feb/17/henry-sutton-top-10-unreli…

2009年ネビュラー賞の候補作発表

2009年ネビュラー賞の候補が発表になっています。最近日本でも話題になっているバチガルピが長編部門とノヴェレット部門でダブル候補に。ヴァンダーミアもそろそろメジャーになって売れてほしいな。NovelThe Windup Girl, Paolo Bacigalupi (Nightshade,…

<氷と炎の歌>第五巻はまだ執筆中

<氷と炎の歌>シリーズで知られるジョージ・R・R・マーティンが、待望の第5巻"A Dance with Dragons"を1205ページまで書き上げたことを自身のブログで公表しています。といっても原稿が完成したわけではないらしく、一体いつになったら出版されるの…

RIP Dick Francis (1920-2010)

競馬をテーマにしたミステリーで有名なディック・フランシスさんがお亡くなりになりました。89歳でした。シッド・ハレーを主人公にした『大穴』『利腕』にガツンとやられてしまい、一頃は取り憑かれたように彼の作品を読んでもんです。長年作品のリサーチ…

iPadの電子書籍リーダー

Appleが待望の新商品iPadを発表しました。うちに関係があるのは電子書籍関係なんですが、iPadにはiBooksという電子書籍リーダーが付属するということです。先週からの噂にあったとおり、Harper Collins、Simon and Schuster、Macmillan、Penguin、Hachetteと…

たまたま

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する作者: レナード・ムロディナウ,田中三彦出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/09/17メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 206回この商品を含むブログ (51件) を見るレナード・ムロディナウの『たまたま』読了…

洋書屋の憂鬱、あるいはNew York Times Best Sellers リストが役にたたないこと

自分で選んでペーパーバックを仕入れてる本屋なんて、あんまりないと思いますが、いざやろうとすると大変なんです。今日はちょっとそういう話を。普通考えたら、売れ筋商品を仕入れようと思うわけです。そこでアメリカで一番定評のある売上げベストというこ…

アップルのeBook戦略は?

待望の新製品タブレット(?)発表を1月27日に控えて、アップル社の代表らがニューヨークで出版大手六社と交渉中という噂。Amazon Kindle的なものが、発売されるタブレットに搭載されているということなのか、それともiTunesで本が買えるようになるのか、…

R.I.P. ロバート・B・パーカー(1932-2010)

私立探偵スペンサーのシリーズで知られるロバート・B・パーカーが亡くなりました。77歳でした。故人のご冥福をお祈りします。

速報! ニューベリー賞&コルデコット賞

児童文学に与えられるニューベリー賞と、絵本に与えられるコルデコット賞が、twitterで発表になってます。Newberry 2010は、Rebecca Steadの"When You Reach Me" Caldecott 2010は、Jerry Pinkneyの"The Lion & the Mouse"にそれぞれ授与されました。Carnegi…

アンドロイド・カレーニナ

"Pride and Prejudice and Zombies"がついに翻訳までされてしまったQuirk Booksの新刊が発表されました。タイトルは、 Android Karenina もちろん、トルストイ作の古典『アンナ・カレーニナ』のアンドロイド版です(笑)。スチームパンク風の擬似19世紀が…

エルロイとピースの対談

昨年"Blood's a Rover"を刊行してUnderworld U.S.A.三部作を完結させたジェームズ・エルロイに、ヨークシャー四部作のデヴィッド・ピースがインタビューしてます。http://www.guardian.co.uk/books/2010/jan/09/james-ellroy-david-peace-conversationエルロ…

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。今年ものらりくらりと続けていこうと思ってますので、呆れずにおつきあい下さいませ。

ペレックの代表作『煙滅(La Dispartion)』の翻訳が出ます

ほほう、ジョルジュ・ペレックのLa Dispartion が翻訳されたんですか。こいつは驚き。メタフィクション好きの皆さんは御存知でしょうが、ペレックはウリポに属する作家で、文学の記号性や順列・組み合わせ性にこだわった実験的な作風で知られてます。代表作…

納得いかねえ

M1グランプリ今年の王者はパンクブーブー。 正直言って、クスリとも笑えませんでした。 かつてこれほど納得いかないM1はなかったんだけど、会場や2ちゃんねるの反応だと、結構みんな納得してるみたい。 自分としては予選の9人のなかでパンクブーブーは…

このミス2009について

今年の「このミステリーがすごい!」は、海外部門1位がウィンズロウの『犬の力』、2位がラーソンの『ミレミアム1』ということで、文春のベストと入れ替わる結果に。例年のごとく書評家4人による対談が載っておりますが、驚いたことに「ミレニアム」は(…

ご無沙汰です

ご無沙汰しております。 クリスマスでそこそこ忙しいのもありますが、記事を書きたくなるほど心動かされる事件がなかったので。晶文社が文芸部門を縮小して在庫販売のみに以降するという話が今年の9月頃に流れて大変驚きましたが、出版状況クロニクル19に…