このミス2009について

今年の「このミステリーがすごい!」は、海外部門1位がウィンズロウの『犬の力』、2位がラーソンの『ミレミアム1』ということで、文春のベストと入れ替わる結果に。

例年のごとく書評家4人による対談が載っておりますが、驚いたことに「ミレニアム」は(対談当時)まだ増刷もされてないとか。あれだけの世界的話題作で、書店の店頭でもかなり大掛かりなキャンペーンをしていて、こうして年間ベストを争うほどの評価を得ているというのに、文庫本じゃないと増刷もされないというのが現状なんでしょう。

マット・ラフの『バッド・モンキーズ』が4位に入ったのは嬉しい驚き。海外ではカルト的文芸作家の扱いをされてるようですが。何年か前、大森望さんが"Set This House in Order"を訳すとどこかで書いておられましたが、私はこの小説が大好きで是非とも来年は出版していただきたい。山形浩生さんは"Sewer, Gas & Electric"の方を絶賛(?)していたと記憶。

毎年楽しみにしている「我が社の隠し玉」ですが、今年は胸躍るような情報は特になし。気になるといえば、集英社から出るカルロス・ルイス・サフォンの新刊、国書から出るオスカー・ワイルドを主人公としたミステリー、小学館から出るリチャード・マシスンのトリビュート作品集、新潮社から出るマイケル・シェイボンのホームズ・パスティーシュもの、ぐらいかな。文藝春秋はさすがに格違いで、スティーヴン・キング、ジェームズ・エルロイ、ジェフリー・ディーヴァー2冊、デイヴィッド・ピースの東京3部作の第二巻など、注目作が盛り沢山。あとダン・ブラウンの新作『ロスト・シンボル』が3月くらいに出ます。私の感想は???でしたが、日本での反応が楽しみ。