2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『エルサレム・ポーカー』 版背表紙の紹介文

1921年12月末日、三人の謎めいた男たちが運命のポーカーの席についた。中東で媚薬効果のあるミイラ粉配給権を握っている蒼い目のアフリカ人カイロ・マーター。元アイルランド愛国者にして武器密輸業者、今では男根を模したキリスト教徒向けの土産物で…

<試訳> エドワード・ホイットモア著 『エルサレム・ポーカー』(1978) プロローグ

初夏の一日が明けゆく光のなか、プロシア人の男爵とその妻はともに老いを重ねて肥え太った裸体を汗まみれして立ちあがり、大ピラミッドの頂上で日の出を待ち受けていた。空気は暖かく、砂漠の静謐さに包まれている。時は1914年。ヒンターポンメルンから…