2009-01-01から1年間の記事一覧

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。今年ものらりくらりと続けていこうと思ってますので、呆れずにおつきあい下さいませ。

ペレックの代表作『煙滅(La Dispartion)』の翻訳が出ます

ほほう、ジョルジュ・ペレックのLa Dispartion が翻訳されたんですか。こいつは驚き。メタフィクション好きの皆さんは御存知でしょうが、ペレックはウリポに属する作家で、文学の記号性や順列・組み合わせ性にこだわった実験的な作風で知られてます。代表作…

納得いかねえ

M1グランプリ今年の王者はパンクブーブー。 正直言って、クスリとも笑えませんでした。 かつてこれほど納得いかないM1はなかったんだけど、会場や2ちゃんねるの反応だと、結構みんな納得してるみたい。 自分としては予選の9人のなかでパンクブーブーは…

このミス2009について

今年の「このミステリーがすごい!」は、海外部門1位がウィンズロウの『犬の力』、2位がラーソンの『ミレミアム1』ということで、文春のベストと入れ替わる結果に。例年のごとく書評家4人による対談が載っておりますが、驚いたことに「ミレニアム」は(…

ご無沙汰です

ご無沙汰しております。 クリスマスでそこそこ忙しいのもありますが、記事を書きたくなるほど心動かされる事件がなかったので。晶文社が文芸部門を縮小して在庫販売のみに以降するという話が今年の9月頃に流れて大変驚きましたが、出版状況クロニクル19に…

"Original of Laura"の競売は不成立に

驚いたことに、"Original of Laura"は本当にオークションで売れなかったそうです。 http://www.straitstimes.com/BreakingNews/Lifestyle/Story/STIStory_462872.html クリスティーズでは40万ドルから60万ドルにはなるだろうと予想していたそうですが、…

E-book Reader 販売競争

2008年にソニーと松下が撤退したことで日本での電子書籍普及は当分ないものと思っていましたが、Kindleの日本語版の噂が囁かれ、ソニーも再挑戦するということで、また電子書籍リーダーが話題にのぼるようになりましたね。今年は9月にダン・ブラウンの…

RIP Milorad Pavić (1929-2009)

嗚呼! ミロラド・パヴィッチ(Milorad Pavić )が11月30日に亡くなられていました。『ハザール事典』の英語版を丸善で初めて手にとった時の興奮は今でも忘れられません。(確か辞書のコーナーに並べられてたんじゃなかったっけ?)。あんなにドキドキした…

競売結果は……

先日発売されたNabokovの遺作"Original of Laura"のオリジナル・インデックスカードが競売にかけられた模様。ロックフェラー・センターのChristie'sで12月4日、SALE2227のLot95が"Original of Laura"のはず……なんですが、今見てみるとLot95番の競売結果だ…

ニューヨーク・タイムスの選ぶ今年の10冊

The New York Times の選ぶ Ten Best Books of the Year が発表されています。 http://www.nytimes.com/gift-guide/holiday-2009/10-best-gift-guide-sub/list.html?hp Maile Melony, "Riverhead Books" Jonathan Lethem, "Doubleday" Lorrie Moore, "A Gate…

ガーディアン・ファーストブック・アワード2009

今年のGuardian First Book Awardは、ジンバブエ出身の女性作家Petina Gappahの"An Elegy for Easterly"に決まりました。現在はイタリアのジェノヴァで弁護士を営む彼女が、故郷ジンバブエの人々の暮らしをつづった短編集。

文春のベスト10出ました

年末恒例『週刊文春』の「2009ミステリーベスト10」が発表されています。国内ベスト3は 1位 東野圭吾『新参者』 2位 柳広司 『ダブル・ジョーカー』 3位 北村薫 『鷺と雪』海外ベスト3は 1位 スティーグ・ラーソン『ミレニアム1〜3』 2位 ド…

きみだろうとぼくだろうと

ニコラス・スパークスの"Notebook"が 『きみに読む物語』オードリー・ニッフェネガーの"The Time Traveller's Wife"が 『きみがぼくを見つけた日』ヴィカス・スワラップの"Q & A"(映画タイトル"Slamdog Millionaire" 『ぼくと1ルピーの神様』ミシェル・ゴン…

世界で有名な日本人

こいつか……http://www.boingboing.net/2009/11/25/video-game-wedding-a.htmlNintendo DSのゲーム「ラブプラス」の姉ヶ崎寧々さんと本当に結婚式をあげてしまった奴がいるとは聞いてたけど、YouTubeで映像が流れ、このboingboingで記事になったおかげで世界…

"Uncle Petros and Goldbach's Conjecture"読了

途中で『犬の力』を読み始めたので間が開いちゃったけど、ようやく読了。面白かったっす。「ゴールドバッハの予想」という数学史上有名な難問に取り組んで人生を棒に振ってしまった数学者の話が中心になっていて、その甥で自らも数学者志望の青年と伯父との…

マジで?

うひゃー! 前々からこのブログで紹介してきた"Pride and Prejudice and Zombies"の翻訳が二見文庫から出るそうです。

ジョン・クロウリーの幻の翻訳『エヂプト』出版なるか

ついについにあの幻の『エヂプト』が出版されそう。『リトル、ビッグ』でカルト的人気を誇るジョン・クロウリーのもう一つの代表作とあって、随分前からファンの間では翻訳が待ち望まれていたものの、色んな不幸が重なって延び延びになっていた作品だ。原書…

miscellaneous

スティーヴン・キングは、ダークタワー・シリーズの新作を構想中のようです。シリーズ外伝的なもので、ローランド一行は出てこない模様。キングについては、「スティーヴンキングの話」さんという素晴らしい情報サイトがあるので、キング・ファンの方は是非…

全米図書賞発表

全米図書賞(National Book Award)が発表されました。今年の長編賞は、下馬評通りColumn McCannの"Let the Great World Spin"が受賞しました。過去の全米図書賞受賞作の中から最高の作品を選ぶThe Best of the National Book Awards Fictionは、『フラナリー…

Uncle Petros and Goldbach's Conjecture

Uncle Petros and Goldbach's Conjecture作者: Apostolos Doxiadis出版社/メーカー: Faber & Faber発売日: 2001/03/05メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る『博士の愛した数式』が消化不良だったので、同じく数学者の出てくる未読のペ…

最近読んだ本

『クリムゾンの迷宮』 貴志祐介著 『新世界より』が非常に面白かったので旧作もチェックすることにしました。この作者の本は他に『黒い家』を読んだきり。開巻ゲーム小説と判明し、いささか落胆。人物造形も筋書きもRPGを模した小説にありがちな平板なも…

最近読んだ本

『月長石』 ウィルキー・コリンズ著 創元推理文庫 『回想のブライズヘッド』 イーヴリン・ウォー著 岩波文庫 『探偵は誰だ!』 パット・マガー著 創元推理文庫 『大仏破壊―ビン・ラディン、9・11へのプレリュード』 高木徹著 文春文庫ぐらいかな。読みか…

"Original of Laura"届きました

The Original of Laura作者: Vladimir Nabokov,Dmitri Nabokov出版社/メーカー: Knopf発売日: 2009/11/17メディア: ハードカバー購入: 6人 クリック: 71回この商品を含むブログ (4件) を見るナボコフの遺作"Original of Laura"が届いちゃいました。 アメリカ…

世界幻想文学大賞2009発表!

あぁ、World Fantasy Award も発表になってる。Life Achievementwinner Ellen Asher winner Jane YolenNovel winner The Shadow Year, Jeffrey Ford (Morrow) winner Tender Morsels, Margo Lanagan (Allen & Unwin; Knopf)Novella winner "If Angels Fight"…

Amazon.com's "The Best Books of 2009"

Amazon.com の編集者が選んだ2009年ベストブックが発表されました。とりいそぎタイトルだけ。1. "Let the Great World Spin" by Colum McCann 2. "Strength in What Remains" by Tracy Kidder 3. "Wolf Hall" by Hilary Mantel 4. "Brooklyn" by Colm To…

『キリング・フロアー』読了

キリング・フロアー〈上〉 (講談社文庫)作者: リーチャイルド,Lee Child,小林宏明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/07/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見るキリング・フロアー〈下〉 (講談社文庫)作者: リーチャ…

Guardian first book award 2010 ショートリスト

Guardian first book award 2010 のショートリストが発表されました。この賞は例年ノンフィクションが選ばれることが多いのですが、今年は三冊の長編、一冊の短編集、一冊のルポルタージュが候補に挙がっており、久々にフィクションが受賞しそうな勢いです。…

アマゾンとターゲットとウォルマートは本を殺すか?

日本の出版業界が瀕死なのはみなさん御存知の通りで、再販制度による価格保証が諸悪の根源のように言われることが多いです。他の小売業界でやってるように、本を買い取りにして、売れない本は書店の判断でどんどん値引きするようにすれば問題が解決するんじ…

『この文学がすごい!2010』は出版されない

しかしあれだね。日本の文学界はこういうベストを嫌うね。「純」文学界ってことだけど。海外で年末に出るベストブックのリストってのは、基本的には普通小説やノンフィクションのリストだ。夏休み前に出るサマーリーディングのリストも同様。いくらダン・ブ…

Publisher's Weekly が選ぶ2009 best 10 books

Publisher's Weekly が選ぶ2009年ブックトップ10が発表されています。フィクション・ノンフィクションを含めた50000冊から選ばれた選りすぐりの10冊です。The Age of Wonder by Richard Holmes (Pantheon) Await Your Reply by Dan Chaon (Ball…