Uncle Petros and Goldbach's Conjecture

Uncle Petros and Goldbach's Conjecture

Uncle Petros and Goldbach's Conjecture

博士の愛した数式』が消化不良だったので、同じく数学者の出てくる未読のペーパーバックを読み始めたのですが、なかなか面白いです。
語り手はギリシアの実業家一家の少年。親戚から馬鹿にされているペトロス伯父のことが気になっていた少年は、ふとしたことから伯父が高名な数学者であり、「ゴールドバッハの予想」と呼ばれる数学史上の難問に挑戦して果たせなかったことを知る。
自分も数学者になりたいと打ち明けた少年に対し、伯父は課題を突きつける。「2より大きいすべての偶数は、二つの素数の和で表わすことができる。」これを証明できなければ、数学者になることはあきらめろというのだ。17歳の夏のすべてをこの問題に捧げた主人公だったが、どうしても解くことができない。約束通り数学者になる道を諦めたものの、3年後、自分が挑戦した問題こそが「ゴールドバッハの予想」であったことを知り、大激怒。ふたたび数学者を目指して勉強をはじめた彼に対し、伯父は重い口を開いてかつての研究の日々を語り出す……。

という具合。今は第一次大戦前後の話で、ケンブリッジラマヌジャンやハーディー博士らと一緒に研究しているというエピソードの途中。言っちゃ悪いけど『博士の愛した数式』よりは、ずっと面白いです。

今調べたら翻訳が出てました。『ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」』アポストロス・ドキアディス著。早川書房の出版ですが、本屋で見たことがありません。数学のコーナーに並べられてるのかしら。

ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

[追記]
おおーっ、今、海外で話題のコミックス"Logicomix"は、この著者の作品だったのか。これは『数学原論』の著者バートランド・ラッセルを扱った伝記漫画なのです。

Logicomix

Logicomix