ノーベル賞は受賞したけれど……
ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ、日本ではJ・M・G・ル・クレジオという表記でお馴染みのフランス人作家が今年のノーベル文学賞を受賞したのはご存知の通り。1960年代に活動を始めた当初から日本では翻訳に恵まれ、殆どの著作が2〜3年と置かずに翻訳されている。サルトルを始めとする実存主義、ゴダールに代表されるヌーヴェル・ヴァーグ映画、そしてその後のフランス現代思想とブームへとつづく流れのなかで、日本はフランス文化を積極的に取り入れていった歴史があるわけね。
そんな我々から見れば意外なことに、英米圏ではル・クレジオは殆ど無名同然。今回のノーベル賞受賞で、初めてその名前を知った人も多いみたい。何しろ作品の英訳自体が少ない。しかも聞いたことのないような小さな独立系の出版社(David R.Godine)が出しているだけだから、一般の書店で見かけることは皆無なんでしょう。
ちょうど今ドイツのフランクフルトで国際ブックフェアが開かれていて、さぞやル・クレジオの版権をめぐって争奪戦が繰りひろげられているのかと思いきや……そうでもないみたい(笑)。
ネタ元:こことか(http://www.guardian.co.uk/books/booksblog/2008/oct/17/translation-fiction-frankfurt-book-fair)