サリンジャーが公の場に……(笑)

続編問題で注目が集まっているJ・D・サリンジャーも今年で90歳。

1951年に発表されて大ベストセラーとなった『ライ麦畑でつかまえて』の他に、『フラニーとズーイ』や『ナイン・ストーリーズ』などグラース家の人々を描いた作品を発表しているが、それも1965年の『ハプワース16,1924年』が最後。以来、公の場には姿を見せず、1980年にボストン・サタデー・グローブ紙のインタビューに応じてからは、30年近く何の音沙汰もなかった。

ところが、こともあろうに「ターミネーター4(Terminator Salvation)」について饒舌にしゃべったという、にわかには信じがたい話。

http://www.theonion.com/content/news/new_terminator_movie_brings_j_d?utm_source=a-section

この記事によると、サリンジャーは「ターミネーター4」を映画を三回観た後、クレアモント・シネマ6の外でリポーターの取材に応じたという。「作家のプライバシーは何より貴重なものだが、ターミネーター・シリーズの新作が素晴らしすぎて、これ以上黙っていられなくなった」……ってマジでマジで?

The Paris Review、The New York Review of Books、 Time、 Newsweek、 US Weeklyに掲載される予定インタビューの中で、サリンジャーは主演のクリスチャン・ベールを絶賛しているという。

さらにサリンジャーは、リポーターをニューハンプシャーの屋敷に招き、嬉々として映画について語ったという。その部屋は映画のポスターやコミックブックや、ターミネーターのコレクションで溢れており、アーノルド・シュワルツェネッガーが演じたT-800の実物大フィギュアまであった。ターミネーター4のMcG(マックジー)監督にいたく感心していて、「バナナフィッシュにうってつけの日」だろうが「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」だろうが、『ナイン・ストーリーズ』のどの短編あろうが、McGが望むならどの作品を映画化してもらっても構わない。

最近の小説家のことや、新作の発表について尋ねられると、サリンジャーはジョン・コナーとT-800について語りはじめた。

この爺さんが本物のサリンジャーなのかどうかわからないわけだけど、とにかくこの記事によると隠遁生活から足を洗ったサリンジャーは、大量の未刊行原稿を研究者に委ねたという。今のところ、3つの長編、8つの中篇、そして2ダース以上の短編が見つかっているとか。もしこのニュースの一割でも本当なら出版界は大騒ぎになるわね。

いくらプロモーションのためとはいえ、こんなヨタ記事書いて大丈夫なんかいな。