RIP デヴィッド・キャラダイン というか クワイ・チャン・ケイン

デヴィッド・キャラダインが亡くなったというニュースを知ってショックを受けています。

燃えよ ! カンフー 1stシーズン DVDコレクターズBOX 〈6枚組〉

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中学生の頃に深夜テレビで『燃えよ!カンフー』を見て以来、彼の演じたクワイ・チャン・ケインは私のヒーローでした。あの頃やったファミコンのRPGでは、ドラクエでもウィザードリーでもみんなケインという名前を付けていたもんです。

少林寺で拳法を学んだ中国人と米国人のハーフがアメリカに渡り、西部劇の舞台としてお馴染みの十九世紀末のアメリカの荒野を放浪するというストーリー。『燃えよ!カンフー』というタイトルは如何にもB級っぽいですが、よくあるマッチョなヒーローものとはまったく別物です。荒くれ者揃いの西部の町でトラブルに巻き込まれた主人公が、少年時代に少林寺で受けた教えをもとに平和的に解決しようとするというのが基本。もちろん毎度カンフーというか体術を使うシーンはあるんですが、少林寺時代の回想シーンを始め、アジア的・仏教的な考え方を伝える方に重点が置かれていたと思います。70年代の東洋ブームを受けて、アメリカでは大人気のテレビシリーズでした。

あぁ、凶悪なガトリング銃に砂をかけて使えなくしているクワイ・チャン・ケインの姿が瞼に浮かびます。妙に東洋人的なデヴィッド・キャラダインの容貌が役柄にぴったりで、薄汚い服装で荒野を放浪する姿は最高に格好よかったもんです。考えたら私のヒーローってのは、ギリヤーク尼ヶ崎にしろ、SIONにしろ、放浪者というか浮浪者みたいのばっかりでした。

後にデヴィッド・キャラダイン本人が「クワイ・チャン・ケイン」の設定を荒唐無稽で馬鹿げたものだと苦々しく思っていたことを知った時は、物凄いショックを受けたものです。とはいえ、本人はその後もマーシャル・アーツの研究を続け、1990年代には「燃えよ!カンフー」の続編にも出演しているわけですけどね。まぁ、そういう経歴があって、タランティーノの「キル・ビル」への出演があったわけです。

タイのバンコクで映画の撮影中に、ホテルで首吊り自殺ということですが、事故という話もあるようです。死因を含めてちょっとここには書きづらいので、興味のある方はバンコク・ポスト紙のこちらの記事をどうぞ。