『昨日のように遠い日 少女少年小説選』 柴田元幸編

少女少年小説選 昨日のように遠い日

少女少年小説選 昨日のように遠い日

柴田元幸さんの編・訳による少女少年小説短編集。
柴田さんのことだから、もちろんストレートな少年少女小説であるはずもなく、一癖も二癖もある作品ばかり。

表紙の絵はウィンザー・マッケイの『眠りの国のリトル・ニモ』から採られていて、装丁はクラフト・エヴィング商會……ときては、ジャケ買いの対象としても最高でしょう。

中身については読んでもらうしかないんですが、やはりマリリン・マクラフリンの「修道女」と、レベッカ・ブラウンの「パン」が圧巻。恥ずかしながら、初めてレベッカ・ブラウンの作品を読みましたが、こりゃなかなかのもんですね。慌てて過去作品を読んでみることにします。そういや、京都の洋書屋で働いてるとき、彼女が店に立ち寄るかもとかいう話がありましたっけ。

柴田ファンにとっては、ミルハウザーの短編「猫と鼠」もうれしいし、同じくミルハウザーの傑作中篇「J・フランクリン・ペインの小さな王国」のモデルとなったウィンザー・マッケイの作品がカラー付録としてついてくるのも嬉しい限りですね。