イギリスで一部の漫画を規制する論議が

重要な記事ですので、インデペンデント紙の記事の冒頭部分をなるべく正確に翻訳して載せることにします。

http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/graphic-artists-condemn-plans-to-ban-erotic-comics-1652270.html

グラフィック・アーティスト、出版社、国会議員らからなるグループが、児童の登場する漫画を規制しようとする政府の動きを批判している。違法性を規定してする条文が包括的すぎるために、何百という普通のコミックブックまで違法なものとされる恐れがあるからだ。

今週イギリス議会では、児童虐待を描いた漫画の所持を違法とする新法案が議論される予定。もし今のまま「Coroners and Justice Bill」法案が通るようだと、児童が性的行為に関わったり、性的行為が行われる場面に児童が同席しているような絵を所持しているだけで犯罪になってしまう。

法務大臣の主張では、インターネットを通して(特に日本から)大量のハードコア児童ポルノ漫画が流入してくるのを防ぐには、この法律が必要だという。今回の法案を批判する人々は、現法案のままでは犯罪を満たす要件がおおざっぱ過ぎるために、正当な芸術活動による表現すらも抑圧してしまう危険があるうえ、法律に従う大勢のコミックファンたちを性犯罪者に認定することになってしまうと主張している。

あとは大筋だけ。

この法律が通るとまず、Alan Mooreが昨年1月に発表して高い評価を受けた"Lost Girls"が規制の対象になる可能性がある。
三十代を迎えた三人の架空のヒロイン(不思議の国のアリスオズの魔法使いのドロシー、ピーターパンのウェンディ)が、十代での性の目覚めを振り返るといった内容だが、新法案では児童の定義を18歳以下としているために、思春期での性交渉を描くことが違法になってしまうのだ。

さらに映画公開が迫ったWatchmenまで違法とされる可能性がある。登場人物の一人が子供時代に両親の性行為を目撃するシーンがあるためだ。

法案に反対して、ニール・ゲイマンら著名なグラフィック・ノベル作家たちが声をあげている。

現在審議中の法案は、オーストラリアの同趣旨の法律をモデルにしたものだが、オーストラリアではすでに物議をかもしている。今月初めに一人の男性が児童ポルノ所持で有罪を宣告されたが、彼は「ザ・シンプソンズ」のキャラクターがジョークで性行為をしている画像をダウンロードしただけだった。

法務大臣は、この法律は児童虐待を取りしまるのが目的で、芸術活動には影響を及ぼさないと主張している。

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抗議活動しているグループのホームページは以下の通りです。

The Comic Book Alliance
http://www.comicbookalliance.org.uk/