"An Evil Guest" 読了……したものの

参ったな……

何だろうコレ……

ジーン・ウルフの小説を読んで、わけがわからないと思うのは珍しいことじゃないけれど、これはあんまりなんじゃないかな。

Amazon.comの読者評で、みんなが困惑していたのもよくわかる。
ニール・ゲイマンが去年ブログに載せてた紹介文を読んだとき、随分と錯綜した話なんだなと思ったんだけど、今にして思えばゲイマンも困惑しながら錯綜した話を何とか理解しようとしていたんだなと分かる。

とにかく設定を未来にする必要も、宇宙人を出す必然性もあまり感じられないし、狼男や透明人間に至ってはまったくチョイ役の小道具でしかない。パルプ小説の要素をすべて取り込もうとしたのかもしれないけど、小説巧者のウルフにしてはあまりにもお粗末なやり方だ。そしてクトゥルー神話パスティーシュであることを喧伝しているわりには、三分の二を過ぎて唐突に舞台が変わるまで、延々とミュージカル一座の話に付き合わされるのだ。

正直、まだ頭が混乱して、この小説をどう捉えていいのかわからない。まるで大作映画の製作中に予算が尽きて、半分くらいしか撮れていないフィルムを無理矢理つなげて一本の映画をデッチ上げたように思える。もしかして『ケルベロス第五の首』の時のように、私が気づかない形ですごいトリックが仕掛けられてたんだろうか。いやしかし……

Strange Horizonのレビュー
http://www.strangehorizons.com/reviews/2008/10/an_evil_guest_b.shtml

Clow of the Concilatorの感想
http://clawoftheconciliator.blogspot.com/2008/10/surprising-guest.html#links