書評文化の黄昏

ここ数年、アメリカの新聞では、書評のコーナーがどんどん少なくなってきている。日本で言う日曜版みたいな感じで別綴じにされた書評特集号は、老舗新聞の顔として長年活躍してきたのだけれど、先日、Washington Postの"Book World"が終刊号を迎え、残りはThe New York TimesとSan Francisco Chronicleの2紙だけになってしまった。新聞というビジネスモデルが転換期を迎えていることや、インターネットやブログの普及で新聞の書評自体に希少性がなくなったことなど、色々原因はあるだろうけど、きちんとした書評文化が根付いていた国で、プロの書評家が次々と仕事の場を奪われている現状は憂うしかない。

かたや日本では……うーん、ずいぶん前から碌な書評を見かけないので、今更どうということはないかな。映画批評という文化もすっかり崩壊しちゃったしね。