ダレン・シャンが傑作だなんて誰も教えてくれなかった
Cirque Du Freak (The Saga of Darren Shan No.1)
- 作者: Darren Shan
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2000/01/04
- メディア: ペーパーバック
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Garth Nixの「The Old Kingdom」シリーズ第一作"Sabrie"lは、まぁまぁ、こんなもんかという出来だったのですが、Darren Shanのシリーズ第一作"Cirque du Freak"を読んでびっくり。傑作じゃないですか! 何で今まで読まなかったんだろうと後悔してるところです。
だいたい、ヤングアダルト本は敬遠してましたし、シリーズものは駄作が多いし、ベストセラーというだけで、「ケッ!」と馬鹿にしてたのが悪いんですけどね。おまけに、ヴァンパイアものときては……今さら時代遅れの吸血鬼なんか出してきて何しようってんだか!
すみません、私が悪うごさいました
これは実によくできた少年小説で、自分に子供がいたら是非とも読ませたいと思うような作品です。悪ガキ仲間の陽気なコメディーとして始まった物語は、フリークショーや吸血鬼といったファンタジーの世界を通り抜けるうちに、友情とは何か、責任を取るとはどういうことか、人を救うということは何を意味するのかという、大人になっていく上で重要なテーマをつくづくと考えさせる陰影深い様相を帯びていきます。自分の過ちのせいで死に瀕している親友を訪れる病院のシーン、吸血鬼として生きていくために別れを余儀なくされる家族との最後の団欒のシーンなど、涙なくして読めない場面も多数。お涙ちょうだいの陳腐なシーンになりがちなところを、簡潔な英語を使って実に見事に描いていく著者の筆力には感服つかまつりました。
ただ、この巻の最良の部分は現実の世界を描いた部分なので、半ヴァンパイアとなって現実との接点を断ち切った次巻以降がどうなるのかが気になります。とりあえず第二巻はゲットしてるので、これから読んでみます。