大統領候補のお気に入りの本は?

間近に迫ったアメリカ大統領選挙ですが、読書家にとってみれば、大統領候補たちがどんな本を読んでいるかが気になるところ。最近のインタビューで、二人の候補の愛読書が明らかになりました。

http://www.cbsnews.com/stories/2008/10/29/eveningnews/main4557194.shtml

CBSのアンカー「生涯で一番お気に入りの本は何ですか?」

バラク・オバマ「う〜ん、ぼくという人間を形成する上で最も影響を与えた本と言えば、聖書ということになるね。その上でもう一冊というなら、トニ・モリスンの『ソロモンの歌』が、ぼくの一番のお気に入り。ほんとに美しい、美しい本なんだ。この選挙キャンペーン中にトニ・モリスンに出会う機会があったんだけど、想像していたとおり優雅で聡明な女性だったね。彼女は実に見事な作家、見事な女性だよ。

シェイクスピアの悲劇は、『ハムレット』であれ『リア(王)』であれ、とても奥が深い。毎年読み返しても、いつも新しい発見があるんだ。人間のジレンマについての洞察があるね。とてもパワフルだよ。」

ジョン・マケイン「『誰がために鐘は鳴る』。自分が信じたもののためにモンタナからスペインまで戦いに行く男の話だ。名前はジョーダン。美しいスペイン女性と勿論のように恋に落ちるんだが、それでも彼は……自分が信じていた共産主義が嘘っぱちだとわかった後でも……自分の身を犠牲にして仲間を救おうとするのさ。「世界は素晴らしいところで、そのために戦うに値する」という言葉は、この本で見つけたものだ。」

本のセレクション自体は選挙を意識してるからつまらないんだけど、二人の話し方の違いが歴然としてて「実に面白い」。オバマが人気なのはよくわかるね。

この他にも二人の愛読書を較べてみると

オバマ

  • モリスン『ソロモンの歌』
  • メルヴィル『白鯨』
  • エマーソン「Self-Reliance」


マケイン


フーン、フーン、そうなんだ。
で、San Francisco Chronicleが、地元の作家たちに二人の愛読書を分析させてるんだけど、これは本当に面白い。

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/10/30/DDL113NACJ.DTL

「世にも不幸せな物語」シリーズで有名なレモニー・スニケットことダニエル・ハンドラー氏はこう書いている。

オバマのリストを見れば、彼が失意と皮肉に立ち向かう強い意志のあること、新しく実験的なことにもオープンなこと、その一方で目的や真情というものを真剣に考えていることがわかる。

マケインのリストからわかるのは、彼が本を読むということ、オカマじゃないことってことくらいだな。」