Kodansha USA Publishing 始動

アメリカでの英訳マンガは、小学館集英社が共同出資したViz(現Viz Media)がリードしてきたという経緯があります。それに対し、これまでライセンス契約で版権を売るだけだった講談社が、ついにニューヨークにオフィスを構え、10月から自社出版を始めるというニュースです。

第一弾のラインナップは、大友克洋の"Akira"と士郎正宗の"Ghost in the Shell攻殻機動隊)"。これまでDark Horse Booksが出版していたものを、Kodansha Comicsというレーベルで新たに出版し直す形です。

講談社役員である入江祥雄氏のインタビュー記事がこちら。

http://www.publishersweekly.com/article/CA6700369.html?nid=2789&source=link&rid=447489237

自社出版を始めるとは言うものの、これまで契約を結んできたDel Rey MangaやDark Horse Booksなどとは、変わらずライセンス契約を結んで販売を続けるということ。じゃあ、一体Kodansha USA Publishingは何を出版するのかというと、まだ決まってないとか、明かせないの一点張り。"Akira"や"Ghost in the Shell"など、すでにクラシックとなっている作品を今更マルチメディア展開するってのも、なんだかなぁって感じだし、マンガセールスが縮小傾向にある今頃になって、講談社は一体何がやりたいんだろう……?

と思って読んでいたら、ある部分で納得がいきました。これは講談社創立100周年記念事業だったのです。具体的な経営戦略はあまりないようで、アンテナショップならぬアンテナ出版社を作って、これから探り探り進めて行こう……みたいな。だもんで、あんまり期待せずに見守っておきましょう。やれやれ。

PS
全然関係ないけど、『美味しんぼ』が英訳されている雁屋哲さんのインタビュー記事を見つけたので、リンク張っときます。

http://www.smh.com.au/news/entertainment/books/comic-book-crusader/2009/10/05/1254700971809.html