「Fantasy & Science Fiction」誌、隔月化へ

参加しているSF系のメーリングリストで教えてもらったんですが、残り少ないアメリカのSF専門誌「Fantasy & Science Fiction」誌が、いよいよ隔月刊になっちゃうそうです。運賃の値上がりが原因だということですが、SFパルプ誌が長期低落傾向にあるのは周知の事実なのでことさら驚きませんね。

昨年末にどこかのサイト記事で読みましたが(見つかったらリンク張っときます)、F&SF誌やAsimov's Science Fictionといったパルプ誌は広告もほとんどなく、定期購読収入がほぼ唯一の収入源だなんだそうです。手にとって御覧になられた方はおわかりと思いますが、今時こんな紙質と装丁でよく出しているなと驚くほどのチープな作りの雑誌です。90年代のネット化にも完全に乗り遅れ、Strange HorizonやSciFiction(こちらは閉鎖になりましたが)などのオンライン・マガジンが活躍するのを尻目に、公式サイトは中途半端に記事を公開するだけに留まっています。

年間ベスト集でケリー・リンクが言っていたように、短篇SFや短篇ファンタジー自体が衰えているわけではないのです。オリジナル・アンソロジーや独立系小出版社のジンが優秀な作品を輩出する一方で、昔ながらの専門誌掲載の作品が有力な賞を受賞することも少なくなっているような気がします。今回の隔月刊化について言えば、SFの衰退というよりは、長期的な経営判断の間違いが原因と言えるのではないでしょうか。