ブログ再開に向けてゆるやかな決意表明

いやー、気がつけば今の職場に変わって間もなく半年になります。このブログもすっかりご無沙汰になってますが、ぼちぼち再開してみようかなと思っております。

元々ブログを始めたのは、ランダムウォークという洋書店のスタッフブログとしてだったんですが、文学賞の紹介やら新刊洋書の紹介やらをしているうちに、なんだか適当なことを書くようになったのでした。しょーもないブログでしたが、えらいもので知らないうちに社内で名前が知られていたり、雑誌にコラムを書かせてもらったりと、貴重な体験をさせてもらいました。

結局、会社の倒産と共にブログも閉鎖することとなり、はてなダイアリーに移って……え〜っと、今調べるともうすぐ3年ですね。この1年は開店休業状態でしたが。ま、ほとんど生活は変わってないんで、どうせ洋書絡みの情報とか、翻訳小説の感想とか、時々お店のイベント情報とか、そんな感じのブログになるかと思います。よろしければお付き合いの程を。

今日は特にネタはないんですが、試運転でこんな感じで。

「ジョージ・R・R・マーティンが Kindle Million Club の新メンバーに」

9月19日、Amazon.com, Inc.は、先頃<氷と炎の歌>シリーズの最新刊を出版した作家ジョージ・R・R・マーティンのKindle Storeでの売り上げが100万部を突破したと発表しました。

「かつてグルーチョ・マルクスは『私をメンバーするようなクラブには入会するつもりはない』と言ったけれど、グルーチョだって Kindle Million Club は例外と認めるだろう」と、マーティンのコメントは如才ないですな。

でもって気になるのが、Kindle Million Club の他のメンバーなんですが……

Stieg Larsson
James Patterson
Nora Roberts
Charlaine Harris
Lee Child
Suzanne Collins
Michael Connelly
John Locke
Janet Evanovich
Kathryn Stockett

どうですかね。最近、日本では翻訳小説自体がすっかり売れなくなってるので、ピンと来ないかも知れませんけど、<ミレニアム>のラーソンと<ハリー・ボッシュ>シリーズのマイケル・コナリーくらいは納得ですかね。ジェイムズ・パタースン、ノーラ・ロバーツ、ジャネット・エヴァノヴィッチは日本でも昔から翻訳されてますけど、アメリカ本国とはかなり温度差あり。シャーレイン・ハリスの<サザン・ヴァンパイア>シリーズは、<トゥルー・ブラッド>のタイトルでドラマ化されてようやく知名度あがってきた感じ。リー・チャイルドの<ジャック・リーチャー>シリーズは毎年一冊出版されて必ずベストセラーになる大人気シリーズなんだけど、日本での翻訳は途切れがち。スーザン・コリンズの<ハンガーゲーム>は、近未来版『バトルロワイアル』という趣向でティーンを中心に大ヒットとなった作品。キャスリン・ストケットは人種差別問題を扱った『ザ・ヘルプ』という小説がもう2年もベストセラーリストに載ったままで、近頃映画化されてさらに話題になってます。

で、John Locke って誰ですかね?

ジョン・ロックとは、自然権の概念を提唱し、『市民政府二論』を著した18世紀イギリスの哲学者……とはまったく関係なく、自費出版でありながらKindle Million Clubに入会した驚くべき作家のようです。調べてみると……これは、これは、まさに驚くべき作家ですな。彼はKindle Direct Publishingというシステムを使って自分の書いた小説を出版社の手を介さずに直接Kindleで販売してる。しかも値段は、Kindleが設定している最低料金である99セント。1冊1ドルとはいえ、100万部も売ればかなりの金額が懐に入ってくるわけだ。しかもこの御仁、『私はいかにして5ヶ月で100万部の電子書籍を売ったか』というタイトルのノンフィクションまで出してる。大したタマです。

http://latimesblogs.latimes.com/jacketcopy/2011/06/independent-author-john-locke-amazon-million-kindle-seller-cost.html